#4 京の町へ 1日目

5月の半ば、突然私に3連休×2が付与された。有休を消化しないとな、とは思っていたけど、それが突然やってきた。といっても勝手に消化されるというブラックなものではなく、私の勤怠を管理してくださっている職場の方が「来月のここで○個の有休使ったら3連休にできそうなんだけどどう?」と聞いてくれて、特に他の日に使う希望もなかったので、「それで大丈夫です」と答えた。

 

さて、どうしようか。シフト制で土日休ではない仕事をしているので、連休自体珍しいのに3連休だなんて!!滅多に無いことなので、とりあえずどこかに行って泊まりたい!と思った。旅行好き人間なので、すぐどこかに行って非日常なことをしたくなる。友達を誘おうと思ったけど、みんな土日がお休みの仕事をしていて平日に休みの人なんていなかったので、一人旅をしようと決めた。

そうしたらちょうど、5月末で消えてしまうポイントがたくさんあった(ちゃんとポイントアップ期間にまとめて買い物をした過去の自分に感謝)。

どこに行こう。明確な希望はなかったけれど、とりあえず「森に行きたい」と思っていた。なんとなくずっと緑の中で自然音に囲まれていたいなと思っていたので、「関西 森」で検索。京都の下鴨神社に「糺の森」という場所があるのを知った。けっこう有名らしい。関西人なのに、全く知らなかった。そういえば、幼い頃から遠足や校外学習、友達との日帰り旅、家族とのお出かけ、何かにつけて訪れているのに、下鴨神社も行ったことない。いつも、何してたっけ?京都ってありかも!と思い始めた矢先、Instagramで心惹かれる投稿を見つけた。「京都で食べる完全予約制の朝ごはん」。なんて素敵な響き。心は決まった。

ちなみに、わりと本気で屋久島も調べていたけど、屋久島はこういう突然決まった旅行、ではなくて心の準備をしてから行きたいと思ったのでまたの機会に。

 

1日目は宇治へ。あちこちにうさぎのモチーフがある宇治神社に行ってみたかったので参拝。手水舎にも境内にもうさぎがいて可愛い。お目当ての、これまた可愛いうさぎのおみくじを引いて、お守りを買って神社を後にする。歩きながら気づいた。川の水音と風が心地いい。見渡せば山の緑。私が求めていた風景だ!!友達や家族と来ていたら、なんだかんだ話しながら歩くのでこの自然の良さには気づかなかったかもしれないと思ったら、1人でゆっくり歩くのもいいなと思った。せっかく宇治に来たので、辻利本店に行ってみた。この時期限定の新茶が売っていた。あ、そっか、新茶ってこの時期なんだと初めて知る。母と飲むために小さいのを一つ購入し、なんだか大人だ、とちょっと気分が上がった。その後テイクアウトで買ったボトル入り抹茶の美味しさに感動しながら歩き、気になっていた紫陽花パフェを求めて伊藤久右衛門へ。パフェなんてすごく久しぶりに食べたけど、幸せの詰め合わせだなあと思いながら一瞬で食べてしまった。幸せは一瞬だ。

 

そのままホテルへ。今回のホテル、すごく良かった。新しいということもあり綺麗で、デザインがシンプルで部屋の作りも良かった。お風呂と別にトイレがついている。今回は価格が低めのシャワールーム(浴槽なしタイプ)を選んだけど、1泊ぐらいならシャワーだけで全然平気だし、トイレ別が本当に良い…。快適だった。

晩御飯は事前に決めていなかったので、マップアプリで検索して見つけた、良さげな雰囲気のカフェにしたら大正解。古民家をリノベーションしたであろう内装が、私が大好きな曽祖父の家そっくりでちょっと泣きそうでさえあった。キッシュとスープもすごく美味しかった。

ホテルステイって本当に楽しい。ホテル独特の良い香りがするタオルも、綺麗にベッドメイキングされたベッドの上にパジャマで座って明日の予定を確認するのも、家とは全然違うぼぅっと柔らかなオレンジのライトの中で寝るのも、全部楽しくてウキウキする。あまり泡立ちがよくない備え付けのシャンプーで髪を洗うのも気にならないし、普段見ないテレビ番組なんかつけちゃったりもして、普段しないストレッチもする。そうだ、明日は早起きして本命の朝ごはんだ!と気づいて、スマホのアラームをセットし、急いでベッドに入った。

ひとりでこんなに大きなベットで眠るなんて贅沢だ…と思いながら灯りのスイッチのダイヤルを回した。おやすみなさい。