#3 ホットケーキを焼こう

3食の中で、朝ごはんが1番好きだ。なぜかって言われるとうまく答えられないけど、朝ごはんが1番好き。Instagramで素敵な朝食の写真や動画を見捲っているくらい好きだ。とはいえ、普段仕事の日は出来るだけささっと済ませたいので、バナナとかパンとか、大したこだわりもなく、好きと言っている割には粗雑にしている。

 

たまにお仕事がお休みの日の前日に、ちゃんとした朝ごはんを作りたい!食べたい!と強く思い立って、何を食べようかなと考える。最近ある映画でホットケーキを見てものすごく食べたくなっていたので、ホットケーキに決めた。

 

小さい頃、日曜日の朝にホットケーキを焼くのにものすごくハマっていた。ハマっていたというか、ちょっとした習慣みたいになっていた。私の「何か作りたい」という欲求を満たしてくれて、さらに家族みんなが「美味しい」と言ってくれて最高だった。喜んでくれるのが嬉しくて、「日曜日はみんなの為に作ってあげなきゃ」という小さな使命感すら感じていた気がする。

 

ホットケーキを焼こう、と思ったけどミックスがないことに気づいた。買いに行くのは面倒だな、と思っていたらインターネットで薄力粉で作るレシピを発見。次はベーキングパウダーがないことに気づいた。夜遅くにキッチンの引き出しや戸棚をそこら中開けて、やっと小さな箱とご対面した。副産物として、全て開封済みのゼラチンの箱3個も見つかった。過去の自分に反省。またやってしまった。今度このゼラチンで何か作ろう。

 

朝起きて、ホットケーキを作ろう!と思うとちょっとだけ楽しくなる。卵と牛乳を混ぜて、その中に粉類を加えるけれど、その時にあまり混ぜない方がふわふわになる、と知ったのは大学生になってからだった。小さい頃は、ケーキみたいにダマが残らないのが完璧だと信じ込んでいたので、混ぜに混ぜて、どこまで滑らかにできるかが勝負、みたいなところがあった。あの頃の自分に教えてあげたい。

 

ホットケーキって重ねるのが醍醐味だと思っている。その名の通り、ほかほかの、まだ湯気を放つふわふわのケーキが4枚も5枚も重なっているのが可愛い。その上から日光に艶めくシロップをかけるのも夢が詰まっている。ただ、小さいサイズで焼いたとはいえ4枚も食べると多いので、母に2枚あげた。美味しいと喜んでくれて嬉しい朝だった。

 

今日は久しぶりに良い朝ごはんを食べられたな。