#5 京の町へ 2日目

旅行に行くと、楽しみが多いからか、早起きできる。我ながら、単純だなといつも思う。起きて出る用意をしながらテレビをつけて、チャンネルを回していたら、CNNニュースやフランス語のニュースのチャンネルがあることに気づいた。観光客向けだろうか。さすが京都。このチャンネルをかけていたら海外旅行みたい!!と単純な思考で英語を聴きながら身支度をした。海外旅行に早く行きたい。

 

これのために京都に来たと言っても過言ではない、大本命の朝ごはんは最高だった。土鍋ご飯と鮭の西京焼きと、おばんざいの数々、お味噌汁、お漬物。予約時間に合わせて炊いてくださる土鍋ご飯は、つやつやで、ほわほわで、あまりに美味しくて、大げさでもなんでもなくちょっと泣きそうだった。感動したので、お茶碗に入って湯気を放つ白米だけを写真に収めた。全てが美味しくて、お店の方も素晴らしく良い方々で、また誰かと来たいなと思った。

 

下鴨神社に向かう前に、午前中にやっておきたいことがあった。京都のパン屋さんに行く。和食の朝ごはんを食べておいて何だが、パン屋さん巡りを趣味にしているパン好き人間なので、パン消費量1位の京都でパンを買って帰らないわけにはいかない。徒歩圏内で行ける2軒を巡り、お目当てのパンをつぶれないようにリュックに詰め込んでいざ出発。京都のバス一日乗車券を買って、バスで移動することにした。このバス移動が意外に大変だった。バスに乗って移動するのは別に問題なかったけれど、バス停探しに苦労した。同じ名前のバス停が路線違いでいくつも存在するのだ。あった!と思ったら違う路線のバス停で、道路の反対側に回ってもまた違う路線。最終的に少し離れたところまで歩く、何てことも多々あったのでめちゃくちゃ歩き回った気がする。これもまた一つ勉強になった。京都のバス、侮るなかれ…。

 

下鴨神社に着くと、修学旅行生だろうか、4人グループの中学生らしき子たちがちらほら。懐かしい。班別行動って大人がいない中で自分達だけで行動している!っていうワクワクがあり、ちょっとした冒険みたいなところがあった。今回の旅の目的の一つ、糺の森は最高だった。ずっとここでいたいと思う程、静寂と自然の音が心地よくて、自分のためにこの音をずっと録音して、ヒーリングミュージックとして楽しみたいとさえ思った。できることなら毎日来たい。

 

ゆっくり歩いて糺の森を後にし、出町ふたばに向かう。途中の橋の上から見えた鴨川と奥の山の緑があまりに綺麗で写真も動画も撮った。出町ふたばは「京都のおすすめ」的なブログやInstagramの投稿などで結構な頻度で出ていたので本当に楽しみだった。案の定並んでいたけど、回転が早いし、目の前に並べられた沢山の和菓子たちを見ながらワクワクして待つと苦にならない。お目当ての豆餅を買って潰れないようにそっとリュックの1番上に。これはその日帰宅してから食べた感想になるが、言葉にできない程美味しかった。人生で1番と言っても全く過言では無く、今でも母と「ふたばの豆餅おいしかったね、また食べたいね」と言う程である。

 

さて、お昼ご飯をどうしようか。朝ごはんをしっかりいただきあまりお腹も空いていなかったので、行ってみたかった「ぎおん 徳屋」さんに行ってみることにした。バスに乗って、祇園の方へ。Googleで出てきたバス停の名前と実際の名前が違っていたらしく、一つ乗り過ごしてしまった。でもこれもぶらり旅、って感じで悪くない。祇園四条の駅近くから歩いて花見小路へ。この辺りは一本筋を中に入ると、街並みも古いし、舞妓さんたちもいて、The京都を味わえる。おそらくおやつ時になったら混むんだろうけど、お昼ご飯の時間に行ったのですぐ入れた。建物の佇まいも素敵。葛餅とわらび餅の合い盛りができるそうでそれにした。見た目が艶々で美しい。そしてプルプルのお餅たちの下に冷やすための氷が敷き詰められていたけれど、それもかき氷用に削ってあるので最後は蜜をかけてお楽しみください、とのこと。なんと素晴らしい。そして葛餅とわらび餅の美味しさは言うまでもなく(瞬く間に私のお腹へと消えた)、その氷まで美味しかった。

 

四条通に出てお店を見ながら駅に向かっていたらみっふぃーおやつ堂を見つけたのでずっと食べてみたかった「みっふぃーあんぱん」をゲットした。持ち帰りの紙袋まで可愛い。

 

少し時間がまだあったので、東寺にいってみることにした。結果から言うとこの選択は大正解だった。すごかった。素晴らしかった。本堂に入った時の空気がスッと変わって澄むような感覚が心地よくてずっといられるような不思議な気持ちになった。

 

これにて京都の旅はおしまい。近いからこそいかない土地にこうやってゆっくり行くのもいいなと思った。また行きたいな〜。